金継ぎの道具は、名前を聞いてもピンとこないものが多くあります。ここではそれぞれが何のために使われるのかを、工程の順に整理しました。
目次
本漆金継ぎで使うもの
漆(うるし)
すべての工程の土台です。用途によって呼び名が変わります。
- 生漆(きうるし):精製前の漆。素地固めや錆漆づくりに使う
- 糊漆(のりうるし):生漆に糊を混ぜたもの。割れた面を接ぐ
- 錆漆(さびうるし):生漆に砥の粉を練り込んだもの。欠けを埋める
- 黒漆・弁柄漆:仕上げの下地として塗る
砥の粉(とのこ)
細かい粉です。漆と練って「錆漆」にし、欠けた部分を埋めるパテとして使います。
金粉・銀粉
仕上げにまく粉です。ここが費用の分かれ目になります。
純金の粉は相場が変動するため、教室では「時価」「別途購入」としているところがほとんどでした。一方、真鍮粉や錫粉なら追加費用なしとしている教室もあります。見た目は近く、費用はかなり抑えられます。
筆・ヘラ・真綿
- 筆:漆を塗る。細い面相筆を使う
- ヘラ:錆漆を盛る、削る。竹製が多い
- 真綿:金粉をまく、磨く
掲載教室のなかには、入会金に筆・ヘラ・真綿が含まれていて、初回に手渡してくれるところもありました。
耐水ペーパー・カッター
固まった錆漆を削り、形を整えるために使います。地味ですが仕上がりを大きく左右する工程です。
漆を固めるための「風呂」
見落とされがちですが必須です。漆は乾燥ではなく湿度のある環境で固まるため、湿度を保てる箱が要ります。専用のものを買わなくても、段ボール箱に濡れ布巾を入れれば代用できます。
簡易金継ぎで使うもの
簡易金継ぎでは、漆の代わりに合成の材料を使います。
- 合成うるし(新うるし):かぶれない塗料
- 接着剤・エポキシパテ:接着と欠け埋め
- 金色の粉:仕上げ
乾かす時間が短く、かぶれの心配もありません。ただし製品によっては食器に使えないため、直した器の用途は事前に確認してください(金継ぎで直した器は食器として使える?安全性の考え方)。
買うか、借りるか
当サイトの掲載教室を調べたところ、道具の扱いは次のように分かれていました。
| 方式 | 費用の目安 |
|---|---|
| 初回に道具一式を購入 | 4,400〜19,800円 |
| 道具をレンタル | 1回660円〜、まとめて3,300〜3,850円 |
| 教室の道具を自由に使える | 追加費用なし |
53教室のうち28教室が、レンタルまたはキット付きでした。続けるかどうか決まっていない段階では、借りられる教室から始めると無駄がありません。自分のものが欲しくなってから買っても遅くありません。
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