本漆金継ぎと簡易金継ぎの違い|どちらを選べばいい?

金継ぎ教室を探していると、「本漆金継ぎ」と「簡易金継ぎ」という2つの言葉に出会います。どちらも割れた器を直して金色に仕上げる点は同じですが、使う材料も、かかる時間も、直したあとの使い道も違います

当サイトに掲載している53教室では、本漆を扱う教室が41、簡易を扱う教室が9でした(両方を扱う教室があるため合計は一致しません)。教室の数としては本漆が主流です。

目次

ひと目で分かる違い

本漆金継ぎ簡易金継ぎ
使う材料天然の漆(うるしの木の樹液)合成うるし・接着剤・パテなど
仕上がりまで2〜6か月(平均6〜8回通う)1日〜数日
食器として使える使えない場合がある(要確認)
かぶれ体質によっては起こる起こらない材料が使われる
1回あたりの費用3,000〜7,700円ほど体験なら4,000〜8,800円ほど
向いている人器を長く使い続けたいまず体験してみたい

なぜ本漆は時間がかかるのか

漆は「乾かす」ものではなく、湿度のある場所に置いて固めるものです。一般的な接着剤のように数分で固まることはなく、1つの工程ごとに数日から1週間ほど寝かせる必要があります。

金継ぎは「接着 → 欠け埋め → 削り → 塗り → 金粉まき → 磨き」と工程が続くため、待ち時間が積み重なって数か月になります。教室が月2回のペースで開かれていることが多いのは、この乾かす時間に合わせているからです。

実際に掲載教室が案内している回数の目安は、次のとおりでした。

  • 器の破損状況にもよるが平均6回程度
  • 2〜3点を直す場合で約8回
  • 通常8〜10回、2〜3か月以上
  • 最短で5〜6回

「簡易だと食器に使えない」は本当か

ここがいちばん誤解の多いところです。

簡易金継ぎで使われる合成樹脂やパテには、もともと食品に触れる用途を想定していない製品が含まれます。そうした材料で直した器は、口に入るものを載せる器としては使わないほうがよい、ということになります。

一方で、簡易金継ぎでも食品衛生法の基準を満たす材料を選んでいる教室もあります。掲載教室の中には「使用する道具はすべて食品衛生法のポジティブリスト制度に適合している」と明記しているところがありました。

つまり「簡易だから使えない」ではなく、「何を使っているか次第」です。直した器をふだんの食卓で使いたいなら、申し込む前にこの1点を必ず確認してください。

漆かぶれが心配な場合

天然の漆は、体質によってかぶれることがあります。特に汗をかく季節は肌が敏感になり、症状が出やすいと注意している教室もありました。

心配な方の選択肢は3つあります。

  • 簡易金継ぎの教室を選ぶ(かぶれない材料を使う)
  • かぶれにくく改良された漆を使う教室を選ぶ(生漆が原料だが改良されている、と案内する講座があります)
  • 事前に相談できる教室を選ぶ(対策を教えてもらえます)

どちらを選べばいい?

迷ったときの判断の目安です。

こういう方はおすすめ
直した器を毎日の食卓で使いたい本漆
思い出の器を長く残したい本漆
金継ぎがどんなものか知りたい簡易(1日体験)
旅行や外出のついでに体験したい簡易(1日体験)
肌が弱く、かぶれが心配簡易、または改良漆の講座
飾り物・アクセサリーを直したいどちらでも可

実際には「まず簡易の体験で1回やってみて、続けたければ本漆コースへ」という進み方をしている方が多いようです。両方のコースを持つ教室なら、体験してから決められます。

本漆金継ぎの教室を見る簡易金継ぎの教室を見る1日体験のある教室を見る

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